第4回 設備は「壊れた」? それとも「壊した」?(後編)
設備を壊す「行動」と壊さない「活動」
設備は人が不適切な使い方をしたために壊れます。その際、必要な視点は「誰が」壊したのかという話ではありません。「どのような行動(活動)が」設備を壊したのかということです。
設備が故障した際、多くの現場で故障の原因を調査し、記録していると思います。このようなトラブル調査や設備故障の原因調査は、壊れた要因や条件を特定することを目的に行われます。しかし、故障の原因や要因を究明するだけでは不十分です。同様の故障を発生させないための「活動」にまで落とし込まなければなりません。
例えば、設備構造を改良するなどの物理的対策は、根本要因を取り除く有効な方法です。これは専門用語で『改良保全』と呼ばれます。また、管理手法による対策として、作業標準の作成や見直しを行い、故障の原因となる行動を是正することも重要です。
設備を壊さない活動の「型」
現場で設備を壊さないための活動の「型」として、計画保全があります。この型を用いることで、「何を」「いつ」「どのように」「誰が」「いくらで」保全するのかという必要な項目を抜け漏れなく、そして経済合理性を保ちながら保全計画を策定することができます。
この型に基づいて、整備カレンダー、機器別管理基準、整備手順書の他に、日常的に使用する点検項目や潤滑管理などの管理表や点検表を作成します。このような表は、保全員や製造員が行動すべき内容を具体化します。そして、現場にいる全員が設備を壊さない活動と、故障の要素を取り除く活動を適切な実施を可能にします。
壊さない活動の精度を上げるために
計画保全の水準を高まるために必要なポイントは大きく二つあります。
一つ目は定期的に保全計画の更新のための検討業務の時間を確保することです。この業務のために、現場の故障件数や設備の停止時間、トラブル内容などの状況把握の集計や分析を行います。
二つ目は、一つ目の検討材料となる行動履歴や実績管理などの日々の保全記録の充実です。このような記録作業は工数がかかりがちなため、工夫や必要に応じてツールの導入をお勧めします。例えば、記入する項目の選定や、報告の粒度の検討、自由記入欄をチェック式への変更等も有用です。
計画保全には定期的に更新される仕組みがあるところに良さがあります。最初から完璧でなくとも、更新される度に保全レベルが上がり、壊さない活動が徹底されます。その結果、故障件数や事後保全費用の削減が期待できます。
※本記事は大阪府工業協会機関誌に掲載された内容を再編集したものです。
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執筆 保全ラボ編集部
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