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第8回 現場のロス削減に効く点検、はじめませんか?(後編)

■設備メーカーの点検表は信頼できるか?

 

設備管理員の専門部隊がいない工場では、点検の項目や頻度を設備メーカーの点検表、もしくはメーカー点検で実施している場合が多いようです。設備を開発したメーカーなのだから、もっとも信頼できると思われているようです。

 

確かに設備メーカーは、自社で設計しているので機械構造を把握しており、機械的な脆弱性のある部分や部品に詳しいことは間違いありません。

 

しかしながら、設備メーカーは、工場でどのような条件で使われているのかまでは把握していません。そのため、より厳しい条件での使用を想定して、過剰な点検項目を設計する傾向にあります。一般的な傾向として、過剰な点検や整備は保全費用を高くさせる要因になります。さらに、保守不良(いわゆる「いじり壊し」:整備することにより逆に壊してしまうこと)を誘発させる要因になります。このように、点検や整備はすればするほど良いというものではありません。

 

設備管理員のいる工場では、メーカー点検の前に、点検の項目と方法を事前に確認します。そして、工場の設備管理員が項目の追加や削除を行い、メーカー点検の内容を変更することは珍しくありません。

 

もちろん、生産設備をメーカーが推奨する条件で使用している場合、メーカー標準の点検は信頼できる方法の一つです。ただし、その場合であっても、オーバーメンテナンスへの注意は必要です。

 

■点検のあるべき姿:現場の状況に応じて更新

 

設備保全の業務全てに通じることなのですが、設備保全の業務のあるべき姿として、正しくPDCA(計画→実行→確認→改善のサイクル(PDCA)を正しく回すこと)が回せることは非常に重要です。点検は、実施部分に重きを置かれることが多いですが、私たちは計画部分(何を:対象設備、どこを:点検の項目、どうやって:点検の方法、頻度)の方がより重要だと考えます。

 

また、設備故障の要因や生産条件の変化に応じて、点検計画や整備内容に反映することができる業務フロー作りも保全業務を支える基本的な体制です。

 

ときどき、点検箇所や項目、そして頻度が増えすぎて実行できていない、という生産現場があります。そうならないためにも、定期的に点検時の異常発見数や故障件数、部位、要因を集計し、壊れづらい部分は点検頻度を減らす、または、思い切って点検項目から外す、という施策が必要になります。

 

設備の生産時間と同様に、点検時間も有限です。だからこそ、どの時間で、何をすべきか、を考え、優先順位、リスクの大きさを考慮した点検計画を見直すことが大切なのです。

 

■まずは点検レベルの確認から始めよう!

 

点検業務の設計をいきなり実行するのは、大変かもしれません。そのような現場でも、明日からできることがあります。

 

それは、現場の設備点検の業務状況を把握することです。見るべきは、製品が通る生産設備の部位や部品の5Sではありません。製品ライン以外の重要な機械構造部です。具体的には、ギア減速機のオイル汚れが常態化し、オイル漏れが発生しても発見しにくくなっていないか、オイルゲージ(油量を確認する計器)の汚れによりオイルレベルの低下を確認しにくい箇所がないか、などです。

 

このような状況にある場合には、まずは製品が流れる範囲だけでなく、設備能力に関わる部位の清掃を徹底することから始めてみましょう。

 

※本記事は大阪府工業協会機関誌に掲載された内容を再編集したものです。