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第2回 「間違った事後保全」していませんか?(2)

 「緊急保全」はリスクがいっぱい!

故障すると生産に大きな影響を与える設備トラブルは、突発的に対応する「緊急保全」が必要になります。
緊急保全は、復旧に時間がかかるほど、本来生産を続けていれば得られたはずの利益を失います。さらに修理費用も増加するため、工場の経営を悪化させます。なお、本来生産を続けていれば得られたはずの利益を失うことを「機会損失」と言います。
事後保全は、シンプルな業務体制で運用でき、管理コストを抑えられるというメリットがあります。一方で、年間の緊急保全の件数やライン停止時間が増えると、その対応にかかるコストが膨らみ、結果として事後保全のコストメリットを上回ってしまう場合があります。
さらに、緊急保全は、常に迅速な復旧を求めるため、保全員は大きなプレッシャーの中で業務を行うことを余儀なくされます。このような負荷の高い労務環境の常態化は、保全員の心身への悪影響や離職リスクの増大を招きます。
保全ラボはこのような緊急保全で保全員が疲弊するような事後保全を、「間違った事後保全」または「計画なき事後保全」と呼んでいます。

 

 「間違った事後保全」のサイン

適切な事後保全は「通常事後保全」であり、これを適切に行えている工場の保全員は事後保全に対して過度にマイナスなイメージを持っていません。言い換えると、保全員が事後保全の対応に追われていたり、事後保全に対して心身のストレスを感じたりしているのは、間違った事後保全を実施しているサインです。
間違った事後保全から脱却するためには、適切な保全計画が必要です。しかし、本格的な保全計画の作成には多大な工数と専門知識が必要であり、現実的ではありません。そのため、できる範囲での予防保全の導入をお勧めしています。

 

日常点検も効果的な「予防保全」!

生産に多大な影響を与える設備については、事後保全ではなく、予防保全で対応します。予防保全は定期的な検査、点検、整備を実施し、設備が壊れる前にトラブルを防ぎます。
最近は、予防保全のためのさまざまなサービスやツールが販売されています。しかし、特別なツールを導入しなくとも、日常点検や潤滑管理などの基本的な保全活動を適切に実施するにより、設備の故障は十分に防ぐことができます。多くの工場では、生産のための点検を実施していても、保全のための点検を十分に行なっていない場合があります。適切な項目、内容、頻度の実施により、設備トラブルが減り、設備の安定稼働の時間が増え、生産性向上につながります。このような効果的な日常点検表や潤滑管理表の作成も保全員の重要な仕事です。

 

 

保全を行うタイミング(保全方式)

設備保全では、「いつ保全を行うか」という考え方によって保全の方法を整理します。この保全を行うタイミングのことを専門用語で「保全方式」と呼びます。
代表的な保全方式には、故障する前に点検や整備を行う「予防保全」と、故障後に修理を行う「事後保全」があります。さらに予防保全は「時間計画保全」と「状態基準保全」に、事後保全は「通常事後保全」と「緊急保全」に分けられます。

 

保全方式の分類

 

【保全方式】
予防保全(PM:Preventive Maintenance ):設備の劣化具合を検知し、整備を計画すること
時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance ):設備の稼働時間や作動回数に基準に定期的に部品交換や整備を行うこと
状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance):異音や振動、潤滑油を管理して、異常を予知してから、整備を計画すること
事後保全(BDM:Breakdown Maintenance ):壊れた後に、整備を行うこと。故障しても影響のない設備などに採用する
緊急保全:予防保全の対象設備が壊れてしまい、突発的に故障対応する保全のこと
通常事後保全:壊れてから対応することが合理的と判断し、事後保全設備として位置づけていた設備が故障した際に対応すること

 

重要なのは、すべての設備に同じ保全方式を適用するのではなく、設備の重要度や生産への影響を踏まえて適切に選定することです。

※本記事は大阪府工業協会機関誌に掲載された内容を再編集したものです。

 

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執筆 保全ラボ編集部
設備保全への正しい認識と現場で役立つ実践的なノウハウを保全コラムにて提供しています。最新の設備保全情報・トレンドを継続的に発信することで、設備保全業界の皆様にとって良い情報入手の場になることを目的としております。
また、保全ラボの提供する設備保全へのコンサルティング・業務改善・教育についてご紹介します。