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図面を「教材」に変える ― 教育コンテンツ化という新しい選択肢

 

■ 増えている依頼、減っている依頼

最近、私たちのところに来る依頼を見ていて、ひとつ感じている変化があります。

「マニュアルを作ってほしい」「手順書を整備したい」という、いわゆる汎用的な文書化の依頼が、減ってきているのです。

背景にあるのは、支援ツールの進化だと考えています。簡単に文章や動画マニュアルを作れるツールが増えてきたことで、人が時間をかけてゼロから作り込む作業の必要性が下がってきました。各社さんも「そこにかける時間はもう減らしていいのでは」と判断し始めているのではないか、というのが私たちの見立てです。

その一方で、逆に増えてきているのが「誰が教えても、新入社員に同じように教育できるコンテンツを作りたい」という依頼です。

 

■ 図面を教育コンテンツ化するという発想

ここで私たちが今取り組んでいるのが、「図面を教育コンテンツ化する」というアプローチです。

方法はシンプルで、既存の図面やフローシートを素材に使います。最初から完成形を渡すのではなく、あえて途中を空欄にしておくのがポイントです。白紙に近い状態からでも、新入社員が自分の手で書き進めてゴールにたどり着けるような、そんな教材に組み直しています。

こうした教材があれば、OJTの現場は変わります。教える人が若手であってもベテランであっても、ある程度同じ水準で教えられるようになる。この取り組みは、そういう考え方に基づいています。

実際にどのような教材を作っているのか、3つの事例を紹介します。

 

■A社(製造業):工場設備の系統図作成演習

生産設備の系統図・フローシートを教材化しました。図面の一部をあえて空欄にし、新人保全担当者が自分の手でフローを書き進めながら埋めていく、フロー記述問題・穴埋め形式の演習問題です。

フローシート・レイアウト図から製造工程の演習問題へ

答えを見て覚えるのではなく、自分で書いてたどり着く過程を通じて、設備のつながりや製造工程を理解できるようにすることがねらいです。

 

■B社(建築業):給排水・空調設備の設計演習

完成図面をもとに、機器表・系統図・設計計算書の作図演習、設計計算演習、解説資料を制作しました。設計フローを実習形式で習得できる教材として組み立てています。

完成図面・設計計算から演習問題説明資料へ

教材をゼロからつくり込むのではなく、すでに持っている完成図面をそのまま素材として使用します。新入社員は本教材を利用することで、実務に近い設計の流れをそのまま学べます。また、何十人単位の新入社員にも同じ品質で横展開できる点も、大きなメリットです。

 

■C社(製造業):設備部品の解説資料作成(構造を色塗り資料化)

実機の複雑な設備や部品を題材に、構造を色分けして解説する資料を作成しました。例えば、あるポンプのシール部分周りを題材にした資料では、「固定部分」「回転部分」「シール材」、さらに周辺の配管系統を色ごとに分け、どこが何のためにあるのかが一目でわかるようにしています。

設備部品の構造を色分けして解説する資料の例

※図中の設備条件は説明用のサンプルです

文章で仕組みを説明されるより、色分けされた図を見るほうが直感的に構造をつかめます。難しい専門用語を覚える前に、まず「見て構造がわかる」ことを目指した教材です。

若手社員が新入社員に説明する際の資料としても使いやすく、一番やさしい入り口教材として、まずは1つの図面の説明資料から作り始めるのがおすすめです。

 

■ まとめ

3つの事例に共通しているのは、「現場の図面やフローシートを、自社向けの教材に組み替える」という発想です。

この取り組みは、単に「わかりやすい資料」ができるだけでなく、新入社員への教え方そのものを標準化することにつながります。一度教材化すれば、説明が分かりづらかった箇所は後からブラッシュアップでき、それがそのまま技術伝承資料にもなっていきます。

 
事例ダウンロード(A4サイズ1枚)

私たちは、こうした「図面を教材化する」取り組みを、今後も広げていきたいと考えています。

ご興味を持っていただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

 
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執筆 保全ラボ編集部
設備保全への正しい認識と現場で役立つ実践的なノウハウを保全コラムにて提供しています。最新の設備保全情報・トレンドを継続的に発信することで、設備保全業界の皆様にとって良い情報入手の場になることを目的としております。
また、保全ラボの提供する設備保全へのコンサルティング・業務改善・教育についてご紹介します。