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第5回 製造のための5Sと保全のための5S (前編)

現場の基本「5Sの徹底」

 

5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は、現場での基本行動として多くの方がご存じでしょう。5Sの徹底具合をみれば、現場の実力、品質の高さがわかると言われています。

 

今回のコラムは、製造業で基本とされる5Sの目的と有効性について、設備保全の観点からお話したいと思います。

現場のトラブル分類

 

みなさんの現場では、どのようなトラブルが起きているでしょうか。

 

製造現場では毎日、多様なトラブルが発生していると思います。このトラブルを発生させないようにする、もしくは発生したトラブルの解消と対策は、工場の安定稼働のために欠かせない活動です。多くの工場では、トラブルの種類を分類して、その対策を検討されていると思います。その際に重要になるのが、トラブルの分類の仕方です。ある工場ではトラブル原因を事象と混在させ、次のように分類していました(表1)。この分類は、原因と事象を混在させた分類です。表1の項目の中で、「製造」「設備」はトラブルの原因、「品質」は事象(結果)です。事象とは結果として現れる現象のことであり、本来は、原因と分けて考える必要があります。

 

トラブルに対して、原因側からのアプローチ、事象からのアプローチはどちらも有用ですが、これらを混在させて集計することはおすすめしません。なぜなら、有用な対策が取りにくくなるからです。原因側からのアプローチとして、現場のトラブルの原因を製造と設備に分類し、それぞれのトラブルを予防する対策を講じます。

 

製造のための5Sは製造トラブルの発生抑制に、保全のための5Sは保全トラブルの低減になります。言い換えると、現場でどのようなトラブルが起こっているかを正しく分析することは、現場に不足している5Sを見直す機会になります。

 

表1. お勧めしないトライブル分類の例


製造のための5Sと保全のための5S

 

製造のための5Sは、主体が作業者であり、その目的は、不良削減や生産効率の向上です。これは、製造工程のなかで発生するミスやムダを減らすための取り組みが中心となっています。ほとんどの組立系の工場では、目の前に製品があるので製造を目的とした活動は行いやすいのでしょう。

 

一方、保全のための5Sの主体は設備であり、目的は、設備を壊さないこと、そして工場内で火災や漏洩などの安全リスクを防ぐこと(保安防災)です。また故障が起きる前に手を打つ活動(予防保全)の一環としても有用です(表2)。

 

作業者目線で行う製造の5Sと違って、設備目線で行うべきことを考える保全のための5Sは十分に実施できていない工場も多くあります。

 

表2. 保全のための5Sの活動例

※本記事は大阪府工業協会機関誌に掲載された内容を再編集したものです。

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執筆 保全ラボ編集部

設備保全への正しい認識と現場で役立つ実践的なノウハウを保全コラムにて提供しています。最新の設備保全情報・トレンドを継続的に発信することで、設備保全業界の皆様にとって良い情報入手の場になることを目的としております。

また、保全ラボの提供する設備保全へのコンサルティング・業務改善・教育についてご紹介します。