第7回 現場のロス削減に効く点検、はじめませんか?(前編)
点検といえば保全、じゃない?!
工場の方と接していると、製造担当の方の感覚が、設備管理員にとって新鮮に感じることがあります。その一つが点検という言葉です。当たり前なのかもしれませんが、設備管理員からすると、点検といえば設備の点検です。その目的は設備の状態把握と劣化防止です。
しかしながら、製造の方にとっての点検は、製造のための設備の稼働前後の確認として行われていることが多いようです。そこで、今回は、設備管理員の立場から点検について改めて説明してみようと思います。
監視と点検と整備、混同していませんか?
点検について説明する前に、現場で混同されがちな、監視、点検、整備の言葉を整理します。
監視は、日々の製品の品質や生産数量に異常がないか、設備の稼働状態を見守る活動です。点検は、生産設備に異常や劣化現象がないかを確認する活動です。そして、整備は設備が正常に稼働するための分解清掃や部品交換、調整などの維持管理の活動です。
工場によっては、生産設備の本稼働前の動作確認を点検作業と表現していることがあります。正確には、このような活動は設備の点検ではなく、生産の監視にあたります。確認する対象が「設備能力の過不足」ではなく、「安定的な生産状況」であることが特徴です。
また、設備の稼働有無で整理すると、監視のとき設備は稼働し、整備のとき設備は停止状態であることが多いです。しかし、点検のとき、設備は稼働していることも停止していることもあります。つまり、監視と点検は、設備が稼働している状態で行うことがあるため、混同されることが多いのだと思います。
次の節では、イメージしやすいように私たちの身の回りにある家電製品(コーヒーメーカー)を例にとって、監視、点検、整備の役割を具体的に説明します。
身近な家電の監視・点検・整備
コーヒーメーカーの監視は、使用する際に簡易的に行います。具体的には、使用前に電源が入っているか、使用中に異常ランプは点灯していないか、または、異音や異臭がないかを確認します。さらに、抽出されるコーヒーの量や温度、味などに異常はないかをチェックします。
点検は、定期的もしくは使用前に性能や機能が低下してないか確認することです。具体的には、フィルターや抽出口の詰まり、給水タンクの漏れなどの有無を目視で確認します。さらに、コードや差し込みプラグの傷や、ガラス容器の割れの有無も点検項目となります。
コーヒーメーカーの整備作業として、給水タンクの洗浄、専用クリーナーによる内部の水垢やコーヒー油脂の除去、消耗部品(フィルター、パッキンなど)の交換があります。どうでしょうか?監視、点検、整備について、理解は深まったでしょうか?
適切な点検がロス(損失)を減らす
現場のロス(損失)を最小にするためには、生産工程の下流よりも、より上流で異常に気が付くことが有効と言われています。理想の点検は、製品の品質に影響が出るより前に、生産設備の機能や異常や劣化現象(漏れ、異音など)が発生した段階で気が付くことです。
理想的な点検となるためのポイントは2つあります。その1つは故障につながる設備の異変を数値や基準をもとに槍槓的に発見すること、そして2つ目のポイントは異変に対応した処置を行うことです。
例えば、オイルレベルが低下している設備があればオイルを補給する、ボルトが緩んで異常な振動を起こしていればボルトを締め付ける、など、異変の発見と対処により、設備の劣化は防ぐことができます。
※本記事は大阪府工業協会機関誌に掲載された内容を再編集したものです。
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執筆 保全ラボ編集部
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