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定期的整備では、故障削減は期待できない

  • 設備管理
2022年05月17日(火曜日)

「工場の設備は、定期的なオーバーホールを行っているから、故障なんてしない!」

 

本当にそうでしょうか?

結論から言いますが、定期的なオーバーホールでは、故障の削減は、期待できません。

 

「なんで、定期整備だけではダメなの?」

「どういうタイミングで整備すればいいの?」

 

もし、このような疑問があれば、この記事を読めば解決できます。

今回は、「定期整備でなく、故障するちょっと前に整備するのが経済的である」理由を説明します。

定期整備の考え方

 

予防的に部品を交換したり、整備する考えが始まったころは、時間基準保全(TBM:Time Based Maintenance)が採用されました。

時間基準で整備を行うことで、故障する前に部品を交換するという考え方です。

 

この考え方は、以下の図にある「バスタブ曲線」に基づく考え方です。

多くの設備管理の本などでも紹介されていますが、この考え方は、間違っています。

 

 

バスタブ曲線とは

バスタブ曲線とは、設備の運転時間と故障率を表したグラフです。

 

【バスタブ曲線の思想】

・ 設備を設置した当初は、初期故障が多く発生するため、トラブルが多い

・ その後、設備は安定する

・ ある程度時間が経過すると、老朽化による摩耗故障が増える

・ そのため、故障が増え始める前に、整備が必要となる

 

 

この考え方は、人間の健康状態とも似ており、理解しやすいです。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは死亡率が高く、成人になると死亡率が下がります。そして高齢になると、死亡率が上がります。

 

ですが、このメンテナンス方法は、オーバーメンテナンスになりやすいです。

コスト高になる割には、故障の削減効果は期待できません。

 

 

定期整備では故障削減が期待できない理由

次に、事例を紹介しながら、定期整備では故障削減が期待できない理由を説明します。

 

1960年代に、アメリカにて機器の劣化損傷パターンを研究が行われました。

1968年にユナイテッド航空で調査した結果では、故障データは以下の通りでした。

 

 

研究結果では、バスタブ曲線のデータを示した部品は、4%でした。

時間の経過とともに故障率が上がる劣化損傷パターンを示す部品は、全体の11%でした。

定期整備により故障を減らすことができる部品は、11%であったとも言い換えられます。

反対に、時間が経過しても故障率が変わらない部品は、89%でした。

つまり、これらの部品は、定期整備が有効ではないということです。

 

同様の研究結果は、他にもあります。

【研究結果の事例】

・ 航空機(1968年):ユナイテッド航空の航空機の故障データ

・ 航空機(1973年):米国NASAがとりまとめたジェット機の故障データ

・ 船舶(1982年)  :米海軍の船舶の故障データ

・ 潜水艦(2001年):米海軍の潜水艦の故障データ

 

 

結果は、全て同様でした。

時間の経過とともに故障率が上がる劣化損傷パターン(定期整備や有効な部品)は、8~29%でした。

4つの研究結果の単純平均だと18%であり、定期整備が有効とは言えない結果でした。

 

以上の理由により、定期整備をいくら行っても、故障を減らす効果は期待できません。

故障を予知することが最も経済的

 

部品の劣化損傷パターンを理解すると、経済的なメンテナンス方法が見えてきます。

結論を言いますが、「設備が壊れるちょっと前に整備すること」が最も経済的です。

理由は、時間基準では、故障を予測できないためです。

 

「設備が壊れるちょっと前に整備する」方法としては、以下の通りです。

 

【経済的なメンテナンスの方法】

1)設備が壊れる状態を部品ごと推測する(例えば、ベアリングの損傷)

2)壊れる状態の予兆を検査する(例えば、振動測定、オイル分析)

3)壊れる予兆を見つけた後に、整備を計画する

4)これらの方法を徹底するために、保全の戦略を立てて実行する

 

 

結論

時間基準で整備を点検を行っても、故障の削減効果は期待できません。

最も経済的にメンテナンスを行うためには、故障の予兆を検知し、設備が壊れるちょっと前に整備することです。

そのため、日常点検を行い、設備の状態を監視するのがよい方法です。

 

とはいえ、定期整備が必要な場面も多いです。

例えば、法的に(高圧ガス、危険物、ボイラー、クレーン、エレベーターなど)定期点検や定期整備を行う設備などです。

整備に長期的な計画が必要な設備も、定期点検を行います。

例えば、整備するのに、1ヶ月以上停止しないといけない設備や、部品の納期が6ヶ月必要な設備などです。

これらの設備は、状態が悪くなってから、対応することが難しいためです。

また、今まで説明した事例は機械部品のデータであり、寿命予測が難しい電気設備など(突然壊れる)では、定期整備を行うことも多いです。

まとめ

故障を削減するためには、定期整備でなく、設備の状態を監視し、故障を早期に発見するのがよい方法です。

 

もし「日常点検は、していないなぁ」と思ったら、異音や異常振動、異常電流がないかを日々チェックするようにしては、いかがでしょうか?

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