品質コストのPAF法
「品質コスト」という言葉をご存じですか?
「不良品のコストをコントロールするって、どういうこと?」
「設備投資と品質不良の評価方法がわからない」
「品質対策と品質不良の評価方法がわからない」
今回は、このような疑問にお答えします。
品質を維持するための活動を、コストに換算することで、設備改善や品質活動を評価する方法をご説明します。
品質コストとは
まずは品質コストとは、どのようなモノなのかをご説明します。
品質コストとは、顧客のニーズを満たすために、商品やサービスの品質を維持するためのコストのことです。
品質コストは一般的に、PAF法で、3つに分類することができます。
PAF法とは、prevention-appraisal-failure approachの頭文字で、品質コストを分類する方法のことです。
品質コストを分類することは、品質管理の効果を調べることに役立ちます。
PAF法による分類
PAF法では、品質を維持するためのコストを、以下の3つに分けます。
・ 予防コスト(Prevention Cost)
・ 評価コスト(Appraisal Cost)
・ 失敗コスト(Failure Cost)
また失敗コスト(Failure Cost)は、さらに2つに分類されます。
・ 内部失敗コスト(Internal Failure Cost)
・ 外部失敗コスト(External Failure Cost)
各品質コストの定義
それぞれの品質コストの意味を以下で説明します。
【予防コスト(Prevention Cost)】
・品質不良を防止し、失敗コストを削減するコストのこと
・製造工程で管理する条件や品質改善方法を検討するコスト、訓練や教育を行うコストなど
【評価コスト(Appraisal Cost)】
・製品品質を監視して、品質レベルを維持するコストのこと
・製造工程で条件を管理するコスト、製品をチェックするコストなど
【失敗コスト(Failure Cost)】
・不良品による廃棄や品質クレームに対応するコストのこと
【内部失敗コスト(Internal Failure Cost)】
・出荷前に発見された品質不良に関するコストのこと
・出荷前に発見した不良品によるロスや廃棄コストなど
【外部失敗コスト(External Failure Cost)】
・不良品が市場に出回ったことによるコストのこと
・クレーム対応やリコールなど
PAF法によるコスト評価
品質コストをPAF法で分類することは、何に費用をかけるべきかを知る手段になります。
例えば、もし失敗コストが大きな割合を占める場合は、予防にもっとコストを使うほうがトータルコストを削減できるかもしれません。
以下に、そのようか仮説を立てて予防コストを増やすことで、トータルコストを削減したグラフを示します。
外部失敗コストは、最もコスト高になりやすいため、適正に予防や評価にコストを使うことで、トータルコストを最適にすることができます。
PAF法の使用用途
PAF法は、品質管理のための予防費用、評価費用、出荷した場合の損失コストに分類することで、品質に関する新しい知見を得る効果があります。
具体的な使用用途では、次のようなことがあげられます。
・ 品質管理にかけるべきコストを検討する手段
・ 設備改善などの投資効果を測り、コストダウン効果を知る手段
・ 品質管理の重要性を知り、品質の維持・改善にかける費用を知る手段
まとめ
品質コストのPAF法は、予防コスト(Prevention Cost)、評価コスト(Appraisal Cost)、失敗コスト(Failure Cost)の3つをお金に換算することで、品質管理の効果を測定する手段になります。
もし「品質管理にどれくらい費用をかけていいのかなぁ?」と迷っていたら、PAF法でコスト評価をしてみてはいかがでしょうか?
新しい発見が見つかるかもしれません。